高性能有機半導体技術で、都市のあり方を変えていきたい

パイクリスタルは、東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻 教授の竹谷純一さんが開発した高性能有機半導体技術の事業化を目的に、2013年2月に創業した企業です。2020年1月にM&Aにより大手化学品メーカーダイセルのグループ会社になり、事業化に向けた研究開発とマーケティングを加速させています。2020年から2021年にかけて、同社が開発中の「フィルム状トレースタグ」を使い、「イノベーションフィールド柏の葉」の枠組みを利用したエリア内鮮魚物流の実証実験、長距離鮮魚物流の実証実験のほか、一般冷蔵品物流の実証実験、医薬品物流の実証実験を行いました。これら一連の実験で得られた確かな手ごたえを元に、輸送品質の保証と改善に貢献し、エコフレンドリーな物流サービス実現に向けて、フィルム状トレースタグの改良に取り組んでいます。

パイクリスタル株式会社

パイクリスタルCTOで、東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻 教授の竹谷純一さん(左)と、パイクリスタル株式会社マーケティング部部長の伊勢英右さん

単結晶の有機半導体で高性能を実現

 半導体には大きく分けてシリコンを代表とする無機半導体と、主に炭素化合物を材料とする有機半導体の2つの種類があります。有機半導体自体は目新しいものではありませんが、従来型の多結晶タイプの有機半導体は、性能や信頼性の点で劣るという欠点がありました。パイクリスタルCTOで東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻 教授の竹谷純一さんが独自の有機半導体材料と塗布プロセスを開発し、単結晶膜の生成を可能にしたことで、有機半導体の性能が飛躍的に向上しました。

 パイクリスタルは、竹谷教授が開発した高性能有機半導体技術を事業化するために設立された企業です。従来は、研究室規模の開発を行ってきましたが、2020年1月にダイセルがパイクリスタルを買収したことにより、パイクリスタルの事業化を取り巻く環境は一変しました。

 ダイセルは、量産技術構築を目標に設備投資を行い、量産実証設備も立ち上げました。商品開発やマーケティング、バックオフィスを担当するメンバーがダイセルから出向し、本格的な事業化に向けた体制が整いました。

 竹谷教授はダイセルの買収によって、基礎研究と事業化の両方にとても良い相乗効果が生まれたことを喜んでいます。

「企業側で困っていることがあれば、すぐに基礎研究側に持ってくることができます。基礎研究側にとっては、何を研究すれば社会の役に立つのかということが常に課題となります。その種が企業側にいっぱい落ちています。実際、両方をやるようになってから、私たちの研究への評価も上がり、世界のトップジャーナルに研究成果がたくさん掲載されるようになりました」

パイクリスタルの有機半導体は、塗布で有機半導体単結晶を成膜する技術と工法により、従来の有機半導体に比べて飛躍的な性能向上を果たしています

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