技術と経営の両面でベンチャーを支援し、
地域イノベーションと医工連携を推進

公益財団法人 千葉県産業振興センター 東葛テクノプラザは産学官連携のもと、新産業や技術力のあるベンチャーの育成を目的に1988年に設立された施設です。千葉県のインキュベーション施設の先駆けで、設立以来23年間で約150社がここから巣立って行きました。地域イノベーションと医工連携に力を入れており、柏の葉に集積している大学や病院、研究施設と緊密に連携しながら、ベンチャー企業育成と新産業創成に取り組んでいます。

公益財団法人 千葉県産業振興センター
東葛テクノプラザ

写真左から公益財団法人 千葉県産業振興センター 東葛テクノプラザ 副所長の鶴岡俊幸さん、常務理事 所長の森文彦さん、事業推進課長の一松明美さん。柏の葉には他の地域に無い優位性があると語ってくれました

千葉県のインキュベーション施設のパイオニア

 東葛テクノプラザは、産学官連携のもと企業の技術力や開発力の向上、ベンチャー企業育成や新産業創成を目的に作られた施設です。設立は、1988年11月。設立当時は千葉県内にインキュベーションを目的とした貸研究室を備えた施設はほとんどなく、千葉県内のインキュベーション施設のパイオニアと言えます。

東葛テクノプラザ外観。東葛テクノプラザ裏には中小機構の「東大柏ベンチャープラザ」があり、両方に入居しているベンチャー企業も見られます

 東葛テクノプラザが提供するサービスは主に3つあります。1つ目はインキュベーション機能。大小51の貸研究室があり、企業のニーズに応じてリーズナブルな賃料で借りることができます。2つ目は各種試験研究機器に関する相談への対応。3つ目は総合産業支援施設としての中小企業支援です。

東葛テクノプラザは、3つの機能により産学官連携を進め、千葉県の産業振興に寄与しています

 試験機器に関する相談では、分析の依頼を受ける場合と、機器設備を貸し出して企業に利用してもらう場合に分かれます。分析を請け負う場合には、結果を県の産業支援技術研究所の所長名で通知することが可能です。これにより、分析を委託した企業はその結果を公的な研究所のオーソライズを得たものとして、各方面に示すことができます。分析依頼は年間約700件、設備利用も同じく年間約700件の実績があります。

 東葛テクノプラザには88種類の機器が設置されていますが、代表的なものとして走査型電子顕微鏡や電波暗室を挙げることができると、森さんは説明してくれます。電波を遮断した部屋の中で、機器がどれくらい電波を発しているのかを測定できる電波暗室へのニーズは高く、いつもほぼ予約で埋まっていると森さんは説明してくれます。

「医療機器などは電波を発すると心臓ペースメーカーに影響を与えたりするので、こういう試験を行うことが必須になっています。東葛テクノプラザにも医療関係の開発をされている企業がありますので、そういうところもよく使われています」

高価な走査型電子顕微鏡もベンチャーが自前で揃えるのは難しい分析機器の1つです。企業自身での操作が難しい場合には、東葛テクノプラザの職員が分析を請け負ったり、操作を指導してくれたりします

 インキュベーション機能では、貸研究室の提供にとどまらずインキュベーションマネジャーが2人配置されていて企業のさまざまな面倒をみます。さらに、中小企業診断士1人と企業のエンジニアOB1人が配置され、お金と技術の両面を支える体制が取られています。

 東葛テクノプラザは入居企業だけでなく周辺の企業にも解放されており、技術や知財の専門家の無料相談などが受けられます。年3回、近隣の大学や研究施設との研究交流サロンを開催し、企業が最先端の研究内容に触れ、情報交換ができる機会を設けています。

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