MAGAZINE
コンディショニングは誰にとっても必要
鈴木さんは現在、トレーナー、研究者、会社経営者という3つの軸を持って活動しています。トレーナーとしては冬季五輪スキーチームのサポートのほか、メディカルスタッフという立場でロンドン五輪、リオデジャネイロ五輪のサポートを担当し、東京五輪では選手村の中に作るフィットネスセンターを統括しました。
アスリートに提供していたコンディショニング・サービス、カラダを整え、けがをしない体を作る方法を一般の方々に提供する場所が日本には無いことに気づいた鈴木さんが、そのサービスを提供するために立ち上げたのが株式会社R-body projectです。

「自分のカラダを心身ともに健全に保つために、体を整った状態にすることは誰にとっても必要なこと」だと鈴木さんは言います。
R-body projectでは、直営店舗の運営の他に、オンラインでの学びの提供、トレーナーの育成のほか、地方の病院やフィットネスクラブ、自治体などとのコラボレーションを行っています。柏の葉には2021年7月にR-BODY CONDITIONING ACADEMYをオープンしました。
鈴木さんは、この場所を発信基地として柏の葉の街全体を一緒に健康にしていく、そんな活動をしたいと考えています。
そこに暮らしていることを誇りに思えることが大事
続いて森さんは小山田さんにCROSS TALK 2の内容を聞いて岡田さんと龍崎さんに何か質問は無いかと尋ねました。
これに対し、小山田さんは二人の話を聞いて感じたことが3つあると話しました。
小山田さんはまず、柏の葉でこれから街の核をどう作って行くかという課題が浮き彫りになっている中で、岡田さんも龍崎さんも自分の思いや生き方を熱く語り、仲間を巻き込んで一緒に作り上げるところ、思いや生き方の共有の仕方が勉強になったと言います。
次に、岡田さんが地域の人たちと文化を作っているという話をしたことに触れ、地域の人たちのテンションをどうやって上げていくのか、どうすれば未来を見据える形になるのか、そのやり方に非常に共感できたと述べました。

さらに、岡田さんが文化は生命維持装置だと語ったことに全く同感だと述べ、龍崎さんの地域の人々との対話力にも感銘を受けたと話しました。
森さんから同じ質問を受けた鈴木さんは、「実は私、岡田さんからスペインのサッカーチームの話を以前教えていただいたんですけど、その話にとても感銘を受けました」と語り始めました。
鈴木さんの会社はトレーナーが50人ほど集まって運営する会社です。専門職を組織して運営する上で、岡田さんから教えられた話は今でも鈴木さんの考え方の軸になっているそうです。

森さんから二人の事業内容について感想を聞かれた岡田さんは、それぞれ自分のコンテンツでやろうとしている最後の目標は、幸せに暮らすこと、ウェルビーイングな暮らしを送ることだと思うと語りました。
岡田さんは幸せになるには、「緩やかな人間関係、ストレスがない人間関係」が大切だと、さらに言葉を続けます。
「皆さんがテクノロジーを使ったりしながら、鈴木さんだったらコンディショニングを使いながら作ろうとしているのは、おそらく緩やかなストレスにならない人間関係です。ホテルも何かストレスを感じるホテルには泊まりたくない。そういうものを作ろうとしているのだな、一緒だなと感じました」
森さんから小山田さんと鈴木さんの事業についての感想を聞かれた龍崎さんは、事業を軸にどれだけそこに生きる人たちを豊かにできるかが大事だと感じたと答えました。
「街づくりをしたり、まちおこしをしたりするのは、あくまで結果であって目的ではない、ということを改めてすごく感じました。それぞれの方がベースとされている事業を軸に、どれだけそこに生きる人たちを豊かにできるかがすごく大事だと思ったのと、そこに生きている人が、そこで暮らしていることを誇りに思えるということがすごく大事だなと思いました」
DATA
登壇者名 岡田 武史 プロフィール 株式会社今治.夢スポーツ 代表取締役会長 サッカー日本代表元監督
元サッカーの日本代表であり、引退後日本代表の監督を務める。現在はFC今治運営会社 株式会社今治. 夢スポーツ 代表取締役会長、日本エンタープライズの社外取締役、城西国際大学特任教授、日本サッカー協会参与。
今治.夢スポーツでは企業理念として「次世代のため、物の豊かさより心の豊かさを大切にする社会づくりに貢献する。」と掲げている。
2021年2月、FC今治の新スタジアム「里山スタジアム」を建設する構想を発表。サッカースタジアムを核に、地域とヒトをつなぐ次世代文化・交流拠点を目指し、スポーツx 街づくりのビジネスモデルとして期待されている。登壇者名 龍崎 翔子 プロフィール 株式会社L&Gグローバルビジネス代表取締役
東京大学経済学部卒。実業家。ホテル経営者。ポスト・ミレニアル世代を代表する経営者として注目を集める。19歳のときにホテルのプロデュース・運営を行う「L&Gグローバルビジネス」を立ち上げ、富良野、層雲峡、湯河原、京都、大阪で自社ホテルを運営。「ジャケ買いされる空間」「onsen2.0」「#shelovesyou」など、施設ごとに独自のコピーを掲げ、物語性を感じさせる空間をデザイン。
そこから生まれる新しい宿泊体験は若い世代から高い支持を受け、そのプロデューサーである彼女自身もインフルエンサーとして注目を集める。登壇者名 小山田 裕彦 プロフィール UDCKアートコミュニケーションディレクター
テクノロジーと人間探求の宇宙開発を地域の暮らしに繋げる種子島宇宙芸術祭をアーティスト、JAXAとともに展開。
柏の葉では、五感の学校などアート&デザインを通して、街と関わるきっかけや試行錯誤と実践を体現できるプロジェクトのディレクターとしてUDCKで活動している。登壇者名 鈴木 岳 プロフィール 株式会社R-body project 代表取締役・博士(スポーツ医学)・アスレティックトレーナー
1998年より全日本スキー連盟専属トレーナーとなり、ソルトレイク、トリノ、バンクーバー、ソチオリンピックにてアスリートの活躍を支えた経験を活かし、一般の方を対象に、アスレティックリハビリテーション、コンディショニング指導を提供するスポーツ運動療法施設「R-body project」を設立。
直近では、東京オリンピック・パラリンピックのフィットネスセンターマネージャー / チーフトレーナーとしても活躍した。