CROSS TALK 2
FUSION of civic pride カルチャーの共有が紡ぐ、コミュニティ。

365日人が行き交う心の拠り所としてのスタジアム

次に森さんは龍崎さんにこれまでホテルを開業してきた中で、地域の文化作りや活性化にも貢献し、波及効果を感じられているのではないかと質問しました。

司会の森さんは龍崎さんと岡田さんに二人の事業が地域の活性化に及ぼす影響や効果について質問しました

 龍崎さんは、HOTEL SHE, KYOTOを例に挙げて、質問に答えてくれました。HOTEL SHE, KYOTOはJR京都駅の南に位置する東九条というエリアにあります。この場所は京都人にとっては感覚的に京都の南端に当たり、以前は人通りもまばらでした。しかし、HOTEL SHE, KYOTO開業後は宿泊客が出歩くようなって、地元住民から「街が明るくなった」という声が寄せられたそうです。

HOTEL SHE, KYOTOのホームページ

 同じ質問を森さんから投げかけられた岡田さんは、現在取り組んでいる新しいスタジアム作りについて話をしてくれました。

 J2規格を満たす1万人収容の新しいスタジアムを作るには、約40億円かかるそうです。実現するためには、投資を呼び込むことが必要でした。しかし、単純に「今治に投資して欲しいと言っても誰もしてくれません。でも、ラスベガスでも砂漠に投資してくれと言っても誰も投資しないけど、ここにこういうものを作るというストーリーがあった時にみんながお金を出したと思うんです」と岡田さんは言います。

そこで岡田さんが考えたストーリーが、スタジアム一帯を「バリ・ヒーリング・ビレッジ」として開発し、地域の人の拠り所として365日人が集う場所にすることでした。

FC今治公式サイト掲載のニュースリリースより

「我々のスタジアムには周りに畑を作ったり、障害者の通所施設を作ったり、いろんな人間性を取り戻すような仕掛けがあります。東京のITや金融でちょっとメンタルが痛んだ若者が、今治に来たら人間性を取り戻せる。コンクリートで作って後は朽ちていくだけなんてスタジアムの時代じゃない。どんどんどんどん緑豊かになって、里山のように365日人が行き交う心の拠り所になります」

便利・快適の先にあるコミュニティの姿を共有しなければならない

 議論も終盤に差し掛かり、森さんは柏の葉の街づくりについて紹介し、龍崎さんと岡田さんに感想を求めました。

森さんは柏の葉スマートシティの先進的なデジタル技術の利活用例の他に、様々なカルチャーやエンターテインメントのコンテンツについても紹介しました

龍崎さんは、「こういった場所で街を作るからこそ一つの大きな青写真があって、そこに向かって街自体が育っていく、そういう街づくりができることに可能性を感じます」と話しました。

 岡田さんは、「スーパーシティというのは、これからどんどん便利・快適になっていく。でも便利・快適になるのは手段で、その先にどういう社会があるんだっていう画を共有しなければいけない」と答えました。

 最後に森さんから柏の葉イノベーションフェス 2021のテーマである『READY FOR FUSION?』について感想を求められた龍崎さんは、「何か自分たちの当たり前を見直していくところに、意外とより大きなFUSIONのヒントがあったりすると感じています」と答えました。

岡田さんは次のように答え、議論を締めくくりました。

「READY FORで止まるんじゃなくて、やっぱり最初の一歩を踏み出してチャレンジしていく。いろいろ議論したり考えたり、データを取ったりもいいけど、ともかくやってみる。READYで終わらずに、まずは一歩踏み出したらどうかと思います」

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