CROSS TALK 2
FUSION of civic pride カルチャーの共有が紡ぐ、コミュニティ。

ホテルはアイデンティティを削り出す一手段

龍崎さんがホテル事業を始めた原点は、8歳の時に家族と経験したアメリカ横断ドライブだったそうです。どの街に行っても宿泊するホテルの客室の様子が全く変わらないことに、満たされない想いを感じたと言います。

 転機は10歳の時に訪れました。たまたま学級文庫で手に取った『ズッコケ三人組ハワイに行く』には日系人ホテル経営者のお爺さんが登場人物として描かれていました。そこで初めてホテル経営という職業があることを知り、自分も将来絶対ホテルを経営しようと心に決めたそうです。

 大学に入り、自活しながらホテルをどうすれば経営できるか悩んでいた時に、民泊を仲介するエアビーアンドビー(Airbnb)が日本に上陸します。エアビーアンドビーという概念を知ったときに、龍崎さんは「部屋一つベッド一つあって、遠いところから来た人がそこで安心して一晩過ごすことできたら、それはホテルだって思えるようになったんです」と振り返ります。

 京都の実家で民泊を試してみて手応えを感じた龍崎さんは、地価の安い北海道の富良野で、廃業する予定だったペンションを引き継ぎ、19歳で経営を始めます。

龍崎さんはホテルを通じてライフスタイルの提案ができると考えています

 龍崎さんはホテルを経営してみて、ホテルが朝食の種類の数や部屋の広さ、駅からの距離など、数字で測れるもので比較検討され、選ばれることに疑問を持ったと言います。そして、滞在すべき理由があるから選ぶ、ホテルブランドとして利用する人の選択にフィットするから選ぶ、そういうホテルを作りたいという思いから「HOTEL SHE,」というブランドを立ち上げました。

「洋服を買うときこのブランドが好きだから買う、このカフェの雰囲気が好きだから行くみたいな感じで、その人のアイデンティティを削り出していくための一手段として、ホテルもそういう選択肢になるべきです。ホテルは衣食住の中でも滞在時間が圧倒的に長く、かつ衣食住をすべて包括する空間なので、ホテルを通じて人々にライフスタイルを提案できる可能性があると思っています」

文化は生命維持装置だ

 森さんはまず岡田さんに、コロナで顕在化したスポーツ界の課題が何かあれば聞かせて欲しいと質問しました。

司会の森さんは、岡田さんにコロナで健在化したスポーツ界の課題があれば教えて欲しいと問いかけました

 この質問に対し、岡田さんは「コロナで分断が起きたと皆さんよくおっしゃいますが、それまでもあったものがより鮮明に表に出てきたような感覚があります」と答えます。そして、スポーツは文化の一部であり、コロナは逆に追い風だと考えていると話します。

「スポーツというのも単なるエンターテイメントじゃなくて、文化としての価値がある。そういうものが実は生きていく上で必要。ドイツのメルケルさんがコロナになったときに最初に言いましたよね。文化は生命維持装置だ、だから我々は文化にお金を出すと。そういう意味で、今、スポーツにとってはものすごく追い風だと思います」

今の社会のように便利、快適、安全になって、何もしなくても生きていける社会になったときに、逆に文化がないと、生命維持装置がないと、生きるのが辛くなってくる。それぐらいの価値があるということを、日本人も気付き始めたのではないかと岡田さんは言います。

イベントは終了いたしました。
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