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CROSSTALK 4
FUSION of real and digital 挑戦を生む、クリエイティブな働き方と場。
CROSSTALK 4では新しいビジネスイノベーションを起こしていく上で必要なスキルや働き方について、次々に新しい事業を立ち上げ、既成概念にとらわれないビジネスのあり方や生活価値を提案している遠山 正道さんと、トランスジェンダーとしてLGBT関連の情報を発信しながら、建築デザイナーとして働き方や過ごし方も含めた快適な空間を提案しているサリー楓さんが議論しました。二人は、これからは多様な視点や複数の社会資本を持って、事業や生き方の路線変更に挑戦すべきだと語りました。
FUSION of real and digital 挑戦を生む、クリエイティブな働き方と場。
遠山 正道氏 × サリー楓氏
いろんな社会関係資本を持ち、
自ら仕掛ける働き方が求められる
アートとビジネスは似ている
CROSSTALK 4には、「スープストックトーキョー」をはじめとする数々の事業を展開し、一昨年アーティスト支援プラットフォーム「ArtSticker」を立ち上げ、自らもアーティストとして活動している遠山 正道さんと、日本を代表する大手建築設計事務所で建築のデザインやコンサルティング、ブランディングを手がける一方、モデルまで多岐に渡って活躍しているサリー楓さんが登場。ビジネスイノベーションを起こす上で必要なスキルや働き方、新しいビジネス創造の原動力となる情報や出会いを生み出す環境のあり方、について議論しました。
司会進行は、医療ジャーナリスト/キャスターの森まどかさんが務めました。
最初に自己紹介を行なったのは、遠山さんです。
遠山さんは大学卒業後、三菱商事株式会社に就職。1997年12月に、出向先の日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社で「Soup Stock Tokyo」の企画書を起案。2000年2月に三菱商事の社内ベンチャー0号として、株式会社スマイルズを設立しました。起業のきっかけは、33歳の時に絵の個展をやって、「自分で作って提案することの楽しさに味をしめた」からだと遠山さんは振り返ります。
現在は、スマイルズで芸術祭に作品を出したり、株式会社The Chain Museumで鑑賞者とアーティストが直接つながり支援できるプラットフォーム「ArtSticker」を開発したり、サブスク型の幸せ拡充再配分コミュニティ『新種のimmigration』の運営も行っています。
遠山さんは、アートとビジネスは似ていると言います。アートは、「最初にこんな世界を作りたい、こういうコンテクストを作りたい」という思いがあって出来上がります。ビジネスも、「こんなシーンを実現させたい」という思いが先にあって、周りを巻き込んで、チームで実行します。アーティスト一人でも完結できるアートと、チームワークが必要なビジネスという違いはありますが、「スタートはすごく似ている」と説明しました。
サリーさんは日建設計で建築デザインやコンサルティングの仕事に携わっています。複雑な要件を解きながら建物を提案したり、アクティビティデザインと呼ぶ、建物の中でどのような人々の過ごし方や振る舞い方があるかを建物とセットで考える方法で、理想的な過ごし方を提案したりしています。
またサリーさん自身がLGBT、トランスジェンダーの当事者であり、ドキュメンタリー映画の制作や講演などを通してLGBTに関する発信を行い、新しい世代にジェンダーフリーやダイバーシティというバトンを渡していく活動を行っています。
DATA
登壇者名 遠山 正道 プロフィール 株式会社スマイルズ代表取締役社長 株式会社The Chain Museum 代表取締役社長
2000年株式会社スマイルズを設立、代表取締役社長に就任。
現在、「Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)」のほか、「giraffe(ジラフ)」、「PASS THE BATON(パスザバトン)」「100本のスプーン」を展開。
「生活価値の拡充」を企業理念に掲げ、既成概念や業界の枠にとらわれず、現代の新しい生活の在り方を提案している。登壇者名 サリー楓 プロフィール 建築デザイナー/ファッションモデル
建築デザイナー、ファッションモデル。ブランディング事業を行う傍ら、トランスジェンダーの当事者としてGSM(Gender and Sexual Minority)に関する発信を行う。
建築学科卒業後国内外の建築事務所を経験し、現在は建築のデザイン、コンサルティングを行う。
2017年、慶應義塾大学大学院在学中に社会的な性別を変え、建築・都市計画のコンサルタントからモデルまでに及ぶ多岐にわたって活動するタレントとして注目されている。