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一般社団法人UDCKタウンマネジメントは、公・民・学が連携して柏の葉のまちづくりを推進する任意団体、柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)を母体とする法人組織です。「都市再生推進法人」の指定を受け、公共空間の管理運営を行いながら、柏の葉の街づくりを支えています。UDCKタウンマネジメントが2020年12月にスタートしたプロジェクト「みんなの街づくりスタジオ」は、住民、企業、行政、学術機関が連携してスマートシティ柏の葉の未来を創造することを目的に、生活者の意見をもとに課題を明らかにし、解決し、新しいサービスを生み出すための仕組みです。みんなの街づくりスタジオが生まれた背景には、スマートシティ推進には、「生活者とのコミュニケーションが最も重要」だという問題意識がありました。
一般社団法人UDCKタウンマネジメント
生活者の声をスマートシティ推進に反映する「みんなのまちづくりスタジオ」
三井不動産株式会社と柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)が幹事を務める「柏の葉スマートシティコンソーシアム」は、2019年に国土交通省「Society 5.0」の実現に向けたスマートシティモデル事業の先行モデルプロジェクトに選定されました。
柏の葉スマートシティコンソーシアムがスマートシティモデル事業のポイントとしたのは、「『公・民・学』の連携と、『データプラットホームの活用』により、さまざまなプロジェクトを分野横断的に実施すること」です。この事業では、駅を中心とするスマート・コンパクトシティ実現に向け、「モビリティ」「エネルギー」「パブリックスペース」「ウェルネス」をキーワードに、さまざまな取り組みが行われています。
柏の葉スマートシティコンソーシアムのスマートシティモデル事業ではさらに、柏の葉キャンパスの街を舞台に、市民を中心にした共創で新しいプロジェクトやサービス、製品を生み出す取り組みとして「リビングラボ」を立ち上げることをうたっていました。
その理由は、「スマートシティを推進していくためには、住民、ここで働いている人を含めた生活者とのコミュニケーションが非常に重要な役割を果たすと考えているから」だと、柏の葉のエリアマネジメントを担っている一般社団法人UDCKタウンマネジメント エリアマネジメント事業部 兼 デジタル事業部の佐藤正宏さんは打ち明けます。
もともと柏の葉キャンパス駅周辺の開発が始まったときには更地が多く、その空間を利用したイベントやパーティなどを通じて、生活者とのコミュニケーションが自然に取れていたそうです。しかし、開発が進むにつれて街づくりに関する話をする際に、徐々に生活者の参加が減ってきていたといいます。そのため、改めて生活者とのコミュニケーションを図る仕組みとして構想されたのがリビングラボです。
「大事なのは生活者中心で街づくりを進めていくことです。これまではイベントやアンケートを通じて供給者側が聞きたいことを聞いていた側面があることは否めません。生活者がどういう課題を持ち、何を解決したいのか、生活者を中心にしながら企業や行政、学術機関を巻き込んで、その課題を一緒に解決するスキームを作りたい。そんな思いでリビングラボを立ち上げました」と、佐藤さんは背景を説明してくれます。
佐藤さんたちが構想したリビングラボは、2020年12月に「みんなのまちづくりスタジオ KASHIWA-NO-HA」(以下、まちづくりスタジオ)としてスタートしました。まちづくりスタジオの特色は、3つあると佐藤さんは言葉を続けます。
1つ目は、UDCKという公・民・学が一体となっている組織が存在していて、そこを中心に進められていることです。2つ目は、生活者と企業が一緒に考えていることです、3つ目は徐々に参加者が減ってきていたとはいえ、昔から生活者とのコミュニケーションをとってきた素地があり、ほかの地域に比べるとまちづくりに積極的に参加しようという生活者が多いことです。実際、今回の第1期のまちづくりスタジも、公募したらすぐに参加希望者で募集枠が埋まりました。
DATA
会社名 一般社団法人UDCKタウンマネジメント 設立日 2019年1月 所在地 千葉県柏市若柴178番地4
柏の葉キャンパス148街区
ショップ&オフィス棟5電話番号 04-7137-2228 URL https://www.udcktm.or.jp/