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がん患者の生活情報を、心に響く音声で届ける
国立がん研究センター東病院サポーティブケアセンターで日々がん患者さんと接している坂本はと恵さんも、がん患者に向けて音声でコンテンツを発信することはとても有効だと考えています。
「『たまたま耳にしただけだけど、自分が思い悩んでいることにつながる部分があってホッとした』というお便りをいただいたり、再発したとか、治療薬を変えなきゃいけなくなった時に、『坂本さんが気軽に立ち寄ってと言ってたのを思い出したから、寄ってみました』と、私のところに患者さんが立ち寄ってくださることが多くなりました」
抗がん剤治療で集中力が下がる「ケモブレイン」の時や、がんの宣告を受けた直後で頭がパニックになっている時でも、文字ではなく音声であれば伝えたい内容が頭の中に入りやすいそうです。
患者の声を聞くことで孤独感、社会との断絶感がいやされる
坂本さんはがん患者と接する中で、がん患者が、表向きは平静を装って社会の中で生きているけれども、かなり孤独で、社会との断絶を感じていると感じています。
その孤独感、社会との断絶感みたいなものが、同じような悩みを持っている患者や家族の声を聞くことによって、いやされる効果が見られるそうです。そのため「専門家として情報提供することも大事だけれども、先輩患者さんの声を伝えていくことが今後すごく重要になる」と坂本さんは考えています。
「がんと生きる」は、今は坂本さんとアナウンサーの古賀さんの対話という形でコンテンツを発信しています。しかし、孤独感を埋めるもう一つのパズルのピースみたいなところで考えると、実際にガンを体験した方に登場していただくなど、がん患者、がんから生還したサバイバーの方とのつながりを、もっと増やしていきたいそうです。
唐島さんはサバイバーに登場してもらい、当事者のケースを聞きながら学ぶことに加え、がん患者が使っている日用品を生産している企業の担当者にも登場の機会を与えたいと考えています。
「使っている日用品もこれがいいよとか、これがダメだよというのがあります。そういう意味では、患者さんが日常的に使うものを実際に作っている人たちも番組にお呼びして生活回りの話をしながら、社会全体にがんに対する理解を広げていきたいのです」
DATA
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