KOIL MOBILITY FIELDとKOIL FACTORY PROの一体運用で、柏の葉スマートシティの新産業創造を加速

柏の葉を水素エネルギー関連新産業育成の中心に

 今村さんがMOBILITY FIELDとFACTORY PROにさまざまな開発者を呼び込み、ドローンやロボットの開発のスピードを上げたいと考えている背景には、過去5年間を振り返ってみると日本のドローン産業が実はあまり成長しなかったのではないか、という思いがあります。

「上場企業が出たり、大きな投資があったりはしましたが、5年前に言われていたような市場に、今のドローン市場はなっていないと感じています。それはなぜかというと、実はドローンが長時間・長距離を飛べないからです」

 長時間飛べないというところを改善しないと、ドローン産業は大きくなれない。今村さんは、そう考えています。長時間飛ばすには、現在使われているバッテリー以外の方法でエネルギーを供給することが不可欠です。現在考えられる選択肢は2つ。1つは、ガソリンエンジンで発電し、その電力でモーターを回すガソリンハイブリッドという方式。もう1つが水素燃料電池です。

 今村さんはこれから開発するのであれば、CO2排出の問題が解決できないガソリンハイブリッドを選択することは難しく、水素燃料電池を使うドローン開発が有望だと判断しました。

KOIL FACTORY PROの外観。国道16号線から柏の葉キャンパス駅方面に向かうアクセス道路沿いにあり、車でのアクセスによる街のにぎわいを創出する役割も期待されています

 2020年4月には「水素燃料電池ドローンに置ける高圧ガスの安全のためのガイドライン」が経済産業省から発表されるなど環境が整う中、ドローンワークスは水素燃料電池ドローンに搭載される高圧ガス容器をJFEコンテイナーと開発し、2021年12月に日本で初めて経済産業大臣特認を取得しました。

 大臣特認を取得すると高さ3メーター以上の高度で、水素燃料電池ドローンを飛ばすことができます。特任取得にあたっては、MOBILITY FIELDでの実験を念頭においており、高度150メートルの高さから落下しても高圧ガス容器が破損しないドローンの開発を目指し、実証実験を重ねる予定です。

「MOBILITY FIELD とFACTORY PROができたので、ようやくここで実験し、開発を進められる状態になりました。ドローンだけではなく、2030年、2040年に向けて、水素で動くものはすべてここでやって行くことを目指しています」

 柏の葉を水素燃料電池で駆動するモビリティー関連新産業の開発の中心にしたいと、今村さんは考えています。

1 2 3 4

前へ

イベントは終了いたしました。
たくさんのご参加ありがとうございました。

アーカイブ動画はこちら

MAGAZINE

柏の葉を中心に、このエリアには多種多彩な最先端のテクノロジーを開発し、
未来を担う企業や研究所が数多く存在する。

彼らのまなざしは、つねにその先の未来へと向けられている。

MORE
2020年のMAGAZINEはこちら

Join Us

街という大きなスケールで、実証・実験ができるスマートシティ、柏の葉。

ここでは、多彩な研究機関や大学、施設がさまざまなチャレンジをサポートする。

さぁ、柏の葉とともに、世界を、未来を、変えよう。

MORE