地域限定のゲーミフィケーションアプリで
柏の葉スマートシティの健康づくりに寄与

地域を柏の葉キャンパス駅周辺に限定

 ほんの少し身体の調子がおかしいと感じたときにすぐに病院に足を運ぶのは案外勇気が必要で、これくらいなら大丈夫だからと放っておいて病状を悪化させることもあります。兒玉さんは、まちゲーのようなアプリを使って個人の健康に関する情報(パーソナルヘルスレコード=PHR)に関心を持ち、それをきっかけに自身の体調の変化に気付いてほしいと考え、まちゲーの開発に協力し始めたと振り返ります。

 まちゲーが数ある他の健康管理アプリと異なりユニークなのは、まず対象地域を柏の葉キャンパス駅周辺に限定している点です。そして、デジタルの世界で完結せず、柏の葉スマートシティコンソーシアムや柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)とも連携しながら、柏の葉の街の人たちに使ってもらうためにさまざまな仕掛けを準備していることです。

 データの取り方にも工夫が施され、それが街づくりに反映されると佐々木さんは説明してくれます。

「まちゲーでは歩行や睡眠のデータを集めますが、住民全体の歩行時間や睡眠時間という合算でデータを取ります。例えば、10月の住民全体の歩行目標を10万歩に設定し、それをみんなで達成できれば柏の葉キャンパスの街に緑を増やせるという感じで、アプリで得た結果が実際の街づくりに反映されます。このような点が、UDCKのような街づくりに関わっている方々と一緒にやらせていただいている最大のメリットです」

 柏の葉では「柏の葉キャンパスタウン構想」のウォーカブルな都市空間を作る方針に基づき2018年に「柏の葉ウォーカブルデザインガイド」が策定されました。「WALK & HEALTH KASHIWA-NO-HA」というホームページも公開され、歩いて訪れたいポイントや健康づくりのティップスを紹介しています。UDCK ディレクター スマートシティ担当の白 機 錫さんは、まちゲーにはこのプロジェクトの一貫として取り組んでいると説明してくれます。

「ウォーキング関連のアプリは世の中に多数存在していて、スマホにデフォルトで歩数を測るアプリもインストールされています。しかし、それだけではやはり不十分で、住民の方々が楽しんで参加してくれるようなものを探していました。ちょうど、佐々木さんからゲーミフィケーションアプリを開発しているというお話があり、その方向性に賛同しました」

 白さんはウォーカブルな街づくりのためにリアルワールドで既に街なかに実装しているサインに住民が楽しそうに触れ合っている姿も、まちゲーと連携する後押しになったと振り返ります。

「TX高架下の飲食施設『かけだし横丁』に隣接する歩道の130メートルの区間にドット状のウォーカブルサインが整備されています。歩数を測ることができ、認知症や転倒リスクの参考になる体験コーナーもあって、住民の方々楽しく使っていらっしゃいます。このように目に見える形で楽しくできることがいいねという議論をしていたこともあり、まちゲーと一緒にやっていくことになりました」

まちゲーの基本設計。ユーザーの睡眠データ、歩行データ、食事データを平均化してゲームと連携し、身体データをエネルギーとして生きているメカ植物に養分を与えます

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